レイヤーズ:韓国の新進気鋭作家


2009年7月17日(金) - 8月8日(土)
12:00 - 19:00(初日は17:30まで) 日曜休廊
フォイル・ギャラリーでは2009年7月17日(金)から8月8日(土)まで、グループ展「レイヤーズ:韓国の新進気鋭作家」を開催致します。近年、単なる“記録の手段”ではなく“創作の手法”のひとつとして急速に発展し続ける写真や映像作品。その中でも本展では、手法やコンセプトを幾重にも折り重ね、レイヤー(層)を生み出すことで表現の新たな可能性を探る作品を展示致します。

「様々な観点による相対的な知覚や認識が作品に無限の可能性と可変性を与える。」― かつてキュビズムの概念が提示したように、私たちの個人的な知識や経験、感情もまた作品の一部となり、新たな表情や意味が生み出されます。Gallery Factory(ソウル)との共同企画のもと、釜山ビエンナーレを始めとする韓国の主要美術館、ビエンナーレのキュレーターを歴任してきたキム・インソンをゲスト・キュレーターに迎え、ソウル韓国現代アートの新星5人による気鋭の作品を発表し、この夏日本に韓国の新しい風を吹き入れます。

キム・シヨンは、石けんや塩など壊れやすい素材を用いたインスタレーションを表現の手段としながら、第三者によってそれらが撮影された写真を、作品として発表します。洗濯物が干されるベランダ、料理道具の揃ったキッチンなど、日常の風景の中に並べられたインスタレーションは、日々積み重なる彼女の不安や鬱屈にも、それらから彼女自身を守るために張られた防壁にも見えます。また第三者による写真という手法の二重構造は、作品に潜むレイヤーを象徴的に示唆します。

意図的に不鮮明に写し出し、表面に汚れや傷をつけることで、まるで絵画のように仕上げられるクォン・ドゥヒョンの写真。制作年によって異なる素材を用いたり、表面にサインを入れるなどの加工を施す彼の手法は、写真の“エディション”の概念を超え作品一点一点にオリジナリティを与えるとともに、“写真とは何か”という定義を問い直しその無限の可能性を探ります。

シン・ギウンの映像作品では、スーパーマンのフィギュアやチェスの駒、目覚まし時計や各国の硬貨など見知ったものが音楽とともにテンポよく削られていきます。物が溢れ、情報が氾濫する現代を象徴するものが次々と粉々にされていく様子は、不要な堆積物を徐々に取り去ることで私たちは本来の姿を取り戻すことができる、ということを暗示しているかのようです。

日常の風景を非日常的な目線で写し出すチェ・スンフン+パク・ソンミンの作品は、見過ごしがちな日々のワンシーンの美しさに改めて気づかせてくれます。さらに1枚の写真としてだけではなく雑誌へと媒体を変化させることで、そこに新たな物語が生まれます。“写真”“インスタレーション”など既存のカテゴリーには収まらない、多角的な作品展開で私たちを魅了します。





〈参加アーティストプロフィール〉




キム・シヨン(Kim Siyeon)
1971年、韓国生まれ。ソウル在住。
梨花女子大学卒業後、2001年、ニューヨークSchool of Visual Arts においてMFA取得。 帰国後韓国にて数々の個展、グループ展にて作品を発表。塩や石けんを使った独特のインスタレーション/写真作品は、国内外のコレクションに収蔵され、また東京ワンダーサイトを含むレジデンス・プログラムにも多く参加している。





クォン・ドゥヒョン(Kwon Doohyoun)
1969年、韓国生まれ。ソウル在住。
韓国・中央大学卒業後、2003年、ニューヨークPratt Instituteを首席で卒業。
2003年より手がける《Time/Light》シリーズは国内外で多く展示されている。Djerassi Resident Artists Program (Djerassi Studio, カリフォルニア)など多くのレジデンス・プログラムに参加している。2006年には韓国文化芸術振興会よりYOUNG ARTISTS AWARDを受賞している。




シン・ギウン(Shin Kiwoun)
1976年、韓国生まれ。ロンドン在住。
ソウル大学校彫刻科を卒業後、現在ロンドン大学、ゴールドスミス・カレッジ在学中。ビニール人形から電子機器まで様々な物を粉々にするビデオ・アートは国内外の注目を集め、 個展、グループ展のみならず、光州ビエンナーレ、釜山ビエンナーレ(共に韓国)、Bienal del Fin del Mundo(ウシュアイア、アルゼンチン)など数多くのビエンナーレにも参加して いる。2007年にはJoongAng Fine Arts Prizeグランプリを受賞。





チェ・スンフン+パク・ソンミン (Choi Sunghun + Park Sunmin)
順に1970、1971年、韓国生まれ。ソウル在住。
ソウル大学校彫刻科を卒業後、ともにドイツへ渡ったことをきっかけに、1999年より2人での活動を続けている。Galerie Ockhardt(ドイツ・エッセン)での個展を始め、主に韓国・ドイツで多くの個展を開催、グループ展にも積極的に参加している。2005年、Daum Artist Prize受賞。写真、ビデオ、インスタレーションから、雑誌の発行まで、様々な媒体を通して作品を発表している。



ゲスト・キュレーター:キム・インソン(Kim Inseon)
1971年、韓国生まれ。ソウル在住。梨花女子大学卒業後、ニューヨークPratt InstituteにてMA取得。Alternative Space Loopをはじめ、Kukje Gallery、Daelim Museum、Gwangju Biennale、Busan Biennaleなど韓国の主要美術館、ビエンナーレのキュレーターを歴任。現在梨花女子大学の教授としてレクチャーを行う傍ら、Inter Aila art contempanyのディレクターとして多くの展覧会のキュレーションをしている。



<関連情報>
本展参加作家のシン・ギウンが、丸亀市猪熊弦一郎美術館で行なわれる大規模な韓国現代美術展に出展します。
《ダブル・ファンタジー:韓国現代美術展》
2009年7月12日(日)- 10月12日(月・祝)丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
カタログ『ダブル・ファンタジー:韓国現代美術展』 
フォイルより7月中旬刊行予定



 
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