フォイル・ギャラリーでは3月21日よりエドワード・r・ヨーク写真展「AmerWrecka/アメリカ」を開催いたします。エドワードは過去にMike Ness(Social Distortion)、John Lee Hooker、GG Allin、Allen Ginsbergなど多くのミュージシャンやアーティストのポートレイ、またアメリカのストリートを撮ってきました。アンダーグラウンド・シーンで活躍するエドワード・r・ヨークの日本初写真展になります。この機会に是非ご高覧ください。
「堕落した社会においては、伝達しようとするアーティストも堕落せざるを得ない」
ヴィクター・ミシアーノ
ヨゼフ・ボイスは「誰もがアーティストだ」と言ったが、これは馬鹿げたステイトメントだ。誰もがアーティストだったり、写真家だったり、職人だったりするわけではない。真のアーティストなんて世の中に数えるほどしかいない。アーティストになるべく生まれついた者だけがアーティストになる。その意味で自分はアーティストになるべくして生まれた。カメラというのは、堕落しきった世界でコミュニケーションをとるためにひとつの道具にすぎない。
今回の写真は、1982年から現在まで撮り続けてきた“AmerWrecka/アメリカ”というシリーズに、“Walk-By”というシリーズから何枚かを加えたものである。作品は私のレンズを通して、人生と今まで見てきたものを歴史的な視点から記録している。パンクロックムーブメントの中で育った私は、自身を取り巻く環境の産物でもあった。自然と私は周囲を記録する視点で見るようになったが、それは大恐慌時代にドロシア・ラングやウォーカー・エヴァンズといった平凡な写真家によって描かれたような視点ではなかった。私は古い建物、都市、人々の表情にある退廃や破壊を捉えることに偉大な美を見出すため、自身の作品をネガティブには捉えていない。
現実を商業向けに描き直して世間に売りつけることしか頭にないハリウッドメディアがノンストップで垂れ流すような、アメリカンライフのポジティブなイメージを描き出すことには興味がない。都心部、ホームレス、通りすぎていくもの、何か私の目を惹きつける出来事― 対象に関わらず、私が興味を持つのは、ストリート写真家としての視点から見える歴史の真実だけである。
エドワード・r・ヨーク
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