窓に向けてカメラを構えると、人々の人生の連なりが見え、「自分は生かされている」ということをひしひしと感じた。
−本人インタビューより(日本経済新聞 2008年11月26日)

『Inside- Out』は造形作家として国内外で活動する井上廣子が、ライフワークとして10年以上続けている、精神科病院や少年院など人が隔離されている建物の「窓」を撮影した作品です。
阪神大震災がきっかけで「窓」を撮影し始め、その後国内各地に限らず、海外の拠点であるドイツやオーストリア、またイエメンやアラスカへも足をのばしました。無機質な鉄格子、廃墟のような天井や壁、人の温もりがまだ残るベッドの上の布団……、ときにはカゴの中の小鳥のように、孤独と向かい合い、ときには絶望と隣り合わせになることもある。しかし閉鎖的な空間と対峙することでまた、人とのつながりの中にこそ希望があるということを実感します。そこで写された「窓」は、人が不在にもかかわらず、人の存在を感じられずにはいられません。
井上廣子の渾身の作品群が、殺伐とした時代に私たちは決して一人ではないということを静かに語りかけます。



井上廣子(いのうえ・ひろこ)profile:造形作家。大阪生まれ。1974年より2年間沖縄で染、織り技法を研究。1998年大阪トリエンナーレ彫刻98でデュッセルドルフ市特別賞を受賞し、1999年よりドイツで制作活動。同市の芸術アカデミー等さまざまな文化機関と関わりながら、その後もドイツとの交流を深めている。個展の他、海外、国内でのグループ展多数。2002年Live-Art Scholarship 2001で優秀賞受賞。2009年に個展「Inside-Out」をFOIL GALLERYにて開催。

 

 

タイトル:Inside-Out
著者:井上廣子
デザイン:落合慶紀
テキスト:小勝禮子
定価:本体2500円
ISBN978-4-902943-42-9
判型:A4判変型
88ページ/ソフトカバー
2009年4月発行
数量:



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